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氷輪怯ゆ(おびゆ)六花の刻。
冴え凍る顔(がんばせ)、咽ぶ。
ささめいて、汀揺れる。
仄見ゆ顔は手を伸ばして這ひ徘徊る(たもとおる)。
凍み凍りて痛みに心が薄れていく。
君を抱きしめたこの腕に絡みつく常闇。
狂り(あざり)乞う傍らで、黒、咲ふ(わらう)。
消え方(きえがた)の淵、か細い聲(こえ)。
「またあなたに會えますように。」
殯(もがり)燈す、窄し(すぼし)眼(まなこ)に虛しさが沈む夜。
背向(そがい)の闇が言う。
ーお前は呪いを背負う覚悟があるのかー
嘆かふ事もできずに君、紅涙伝う頰は。
闇の現(うつつ)、死期(しご)に喚く(わめく)雪で消え失す。
黒、咲い。睨まふ先には鬼の様な童形(どうぎょう)。
ー苦輪の唄で自らに痛みを刻めー
背中(せな)に焼き付けた禍言(まがごと)に、取り憑いた紫。
呪われし苦輪の唄を謠う。